カルシウム不足による動脈硬化を防ごう

カルシウム不足が動脈硬化の原因に

動脈硬化とは、動脈にコレステロールや中性脂肪などがたまって血管が硬くなり、弾力性や柔軟性を失った状態を言います。

初めは何の症状も現れませんが、徐々に血管壁が厚くなり血液がスムーズに流れなくなります。
さらに進行すると血管が詰まり、狭心症や心筋梗塞などの心疾患や、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患を引き起こします。

このような動脈硬化の原因のひとつに「カルシウム不足」が考えられています。

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カルシウムパラドックスと動脈硬化

カルシウムの摂取が不足すると、一定に保たれていなければならないはずの血液中のカルシウム濃度が少し下がります。すると副甲状腺ホルモンが分泌され、そのホルモンの働きで骨からカルシウムが取り出されて血液中のカルシウムを増加させ、過剰な分は血管壁に溜まります。

その結果、骨のカルシウムが減り、血管壁のカルシウムが増加するという事になります。これが「カルシウムパラドックス」と言われるものです。

カルシウムの摂り方が足らないと血管では、逆にカルシウムが増えるのです。すると平滑筋が収縮して高血圧になりますが、血管壁は心臓が血液を押し出す力の影響で細かい傷がつきやすくなります。

この傷からコレステロールやその他の脂質が侵入し、繊維化と細胞の増殖を繰り返し、次第に血管の壁を厚くして行きます。さらにここにカルシウムが付着して血管をますます硬く、狭くして行きます。

元々動脈は、心臓から全身へ血液を送る役割があるため、ゴム管のように軟らかく伸縮自在です。

しかし、コレステロールやカルシウムが付着してまるで骨のように硬くなってしまった動脈は、もはやその役割を果たせなくなります。

そして、一瞬にして命を奪ってしまう心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを引き起こします。

こうして、カルシウムの不足は骨粗しょう症と動脈硬化を同時進行させているのです。カルシウムが足らなくなると、体の中では骨から血管へカルシウムが移動しているのです。

カルシウム不足による動脈硬化を防ぐために

カルシウムの不足が骨の中のカルシウムを減らし、逆に血管のカルシウムを増加させるというカルシウムパラドックスによる動脈硬化を防ぐためには、毎日の食事でカルシウムを十分に補う必要があります。

成人に必要なカルシウム摂取量は1日に600mgと言われていますが、高齢者の場合は800mg以上は摂りたいところです。

てっとり早く牛乳やサプリメントで摂ろうとしても、逆効果になってしまったり、過剰症が出る場合があります。やはり毎日の食事の中で、小魚や海藻類、野菜類をきちんと摂る事が大切です。

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