骨そしょう症の予防にカルシウムを
骨そしょう症は、体中の骨がもろくスカスカになってしまうという病気ですが、ちょっと転んだだけでも骨折の危険があるため、早めに予防する事が大切です。
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日本では、成人に必要な1日のカルシウム摂取量は600mgと言われていますが、70代以上の高齢者の場合は、男性で750mg、女性で650mgと厚生労働省が発表しています。
しかし、骨粗鬆症の予防や治療のためには、1日に700~800mgのカルシウム摂取が望まれます。
ただし、ただ単にカルシウムを多く摂れば良いという訳ではありません。効果的に、安全にカルシウムを摂取する必要があります。
毎日牛乳を多量に飲めば良いか
カルシウムを摂るために、「毎日、牛乳をたくさん飲めば良い」と思われがちですが、牛乳だけでカルシウムを補うのはちょっと危険です。
牛乳を一度に多量に飲むと血液中のカルシウム濃度が急激に上昇するからです。血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれていますが、急激にカルシウム濃度が上昇すると余分なカルシウムは尿の中に排出されます。同時に過剰なカルシウムは血管壁に吸収されます。
このようにカルシウムが排出されてしまうと、今度は血液中のカルシウム濃度が低下し、それを補充しようとして骨のカルシウムが血液中に溶け出すのです。
このような事が長期間に渡って何度も続くと、結果的に骨の中のカルシウムが徐々に減少して「骨そしょう症」になります。
牛乳や乳製品を多く摂る欧米人に骨そしょう症が多いのはこのような理由によると言われます。
カルシウムのサプリメントをとれば良いか
カルシウムのサプリメントも色々なものが出回っており、いつでも入手しやすくなって来ました。しかし、サプリメントに頼り過ぎるのもやはり危険が伴います。
健康な人が通常の食事からカルシウムを過剰に摂取しても殆ど問題は起きませんが、サプリメントで過剰に摂取すると、泌尿器系結石やミルクアルカリ症候群を発症したり、他の無機質の吸収抑制等があるとされているからです。
また、ニュージーランドでは、更年期以降の女性にとって、カルシウムのサプリメント摂取は心臓発作のリスク増大につながる恐れがあるという研究結果も発表されています。
理想的なカルシウム摂取法
成人に必要な1日のカルシウム必要量は600mgと言われていますが、これは1日に尿や汗から失われるカルシウムの量とほぼ同じです。骨そしょう症を防ぐには、「最低でも800mg」と考え、しっかりとカルシウムを摂りましょう。
しかし、牛乳やサプリメントから摂るよりは、日本古来からある小魚や海藻類、野菜類などから主に摂るのが理想的です。食品からカルシウムを摂れば、どんなに摂りすぎても過剰症になる心配はありません。
また、カルシウムは1食で集中的に摂るよりも3食に分けて摂るほうが効率よく摂取する事ができます。カルシウムを多く含む食品として、ごま、豆腐、ひじき、しらす干し、わかめ、切干大根、小松菜、からし菜、いわし、昆布などがあります。
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