食中毒を防ぐために細菌の種類を知っておきましょう。

食中毒の原因となる細菌の種類

食中毒の発生は、時折テレビや新聞のニュースでも伝えられますが、日本全国ではここ50年にわたって毎年20000人以上もの人が食中毒の症状を訴え、減少の傾向が見られていません。
正しい食中毒の知識を知り、被害に合わないようにしましょう。

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食中毒の原因となる細菌

食中毒の原因となる細菌には次のようなものがありますので、覚えておきましょう。

●サルモネラ菌
主に卵や肉が感染源となりますが、犬や猫などのペットから感染することもあります。卵の場合、白身や黄身にも菌が侵入する事があります。潜伏期間は6~48時間で、発熱や腹痛、血便などの症状が現れます。

●カンピロバクター
カンピロバクターによる食中毒は、近年、日本で発生している食中毒の中でも患者数が増加傾向にあります。感染源は、主に加熱処理が不十分な鶏肉や、レバ刺し、消毒が不完全な飲料水などです。潜伏期間は2~7日で、発熱、腹痛、悪寒、下痢、血便、嘔吐などの症状が現れます。
下痢は水溶性下痢のため、重症になると脱水症状を起こすこともあります。

●腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは、刺身などの生の魚介類などに含まれる細菌です。初夏から秋の海水の温度が高くなる時期に発生しやすく、増殖が速いため2次感染を起こしやすいという特徴があります。潜伏期間は10~20時間で、腹痛や発熱、下痢などの症状が現れ、時にはしびれやチアノーゼが出ることもあります。

●病原性大腸菌
病原性大腸菌は、肉類や加工食肉製品、水耕野菜などが感染源になり、肉の調理過程で汚染されます。
O-157(腸管出血性大腸菌)はこの菌の一種ですが、潜伏期間は2~8日間で、下痢や激しい腹痛、血便などがあり、放置すると意識障害や尿毒症などを引き起こす場合があります。
また、O-157は感染力が非常に強いため、子どもや高齢者が感染すると命にかかわることもあるので注意が必要です。

●ボツリヌス菌
ボツリヌス菌は、酸素のない環境でしか増殖できないという特徴があります。そのため真空パック入りの食品や缶詰、瓶詰めの食品などが原因で食中毒の症状を起こすことがあります。潜伏期間は10~40時間で、他の食中毒のような消化器症状は現れず、物が2重に見える、食べ物を飲み込みづらくなる、声が出にくくなる、呼吸困難などの特徴的な症状が現れます。

●黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、もともと人ののどや鼻、傷口などに日常的に存在していますが、人の手を介して食品の中で増殖したものを食べた時に食中毒の症状を起こします。潜伏期間は2~4時間で胃のむかつきや嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。

●ウェルシュ菌
ウェルシュ菌は、カレーやシチューなどの肉類の煮込み料理を加熱処理後、放置している場合にその中で増殖します。潜伏期間は8~20時間で、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が起こります。ウェルシュ菌による食中毒は、食べる時に十分に加熱することにより防ぐことができます。

●ノロウィルス
ノロウィルスによる食中毒は、冬から春にかけて多く発生しますが、人から人への感染力が強いため、集団発生が多くなっています。感染源は、生牡蠣や消毒が不完全な飲料水などで、潜伏期間は1~2日、感染すると激しい嘔吐や下痢、頭痛、発熱、のどの痛みなどの症状が現れます。

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